世界一のコーヒーを決めるカップ・オブ・エクセレンスとは

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カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)とは何かをご存知でしょうか。これは高品質のコーヒー豆が集まる、国際的な品評会のことです。カップ・オブ・エクセレンスはCOEとも呼ばれ、これに入賞すると高品質なコーヒー豆の称号を得られます。今回はCOEの歴史や評価方法についてご紹介します。

カップ・オブ・エクセレンス(COE)とは

COEはAlliance for Coffee of Excellence(ACE)というNPO(非営利団体)が運営するコーヒー豆の品評会です。COEは毎年国ごとに行われており、2020年までにこれらの国々で開催されてきました。


・エチオピア
・エルサルバドル
・グアテマラ
・コスタリカ
・コロンビア
・ニカラグア
・ブラジル
・ブルンジ
・ペルー
・ボリビア
・ホンジュラス
・メキシコ
・ルワンダ

年によってCOEを開催する国は異なり、予算や国の情勢の都合上、やむを得ず中止となる場合もあります。

COEに集まるコーヒー豆は、品質の高いスペシャルティコーヒーだけです。集められたスペシャルティコーヒーは国内審査・国際審査といった厳格な審査が行われます。そしてCOEに入賞した上位のコーヒー豆は、インターネットオークションによって世界中で売買され、収益の大部分はその豆を生産した農家に送られます。

国ごとに行われ、厳格な審査を経てインターネットオークションへと出品されるというのがCOEの概要ですが、COEが誕生した背景には何があったのでしょうか。次はCOEの歴史について見てみましょう。

カップ・オブ・エクセレンスの歴史

1999年、初めてのCOEがブラジルで実施されました。当時はコーヒー豆の価格が低迷し、生産者が正当な利益を得ることが難しい状況でした。COEはこのような状況を問題視し、透明性の高い取引を目指すことが目的で開催された品評会です。

正当な対価があれば、生産者の生活環境は良い方向に向かい、高品質なコーヒー豆を生産する意欲にも繋がるでしょう。するとコーヒー豆を取り扱う商社は、質の高いコーヒー豆を持続的に流通させることができます。そして私たちは美味しいコーヒーを味わうことができます。

つまり適正な取引がなされることは、生産者・商社・消費者にとって良い循環を生むということです。COEではスペシャルティコーヒーがフラットな立場で評価され、高い評価を得た豆はインターネットオークションで高値で落札されます。

20年以上にわたって流通の透明性を促してきたCOE。

今では国際的に知られるコーヒー豆の品評会となっていますが、その評価方法とはどのようなものでしょうか。

カップ・オブ・エクセレンスの評価方法

20年以上の歴史があるCOEでは、国内・国外で厳格な審査が行われます。まずはスペシャルティコーヒーの基準を満たしていることが絶対条件。国内審査を通過したスペシャルティコーヒーは、世界から集まった国際審査員によって評価されます。

その際、コーヒーの種類や農園などは明かされません。ブラインドの状態で公平に評価され、100点満点中87点以上(2020年現在)を獲得したコーヒー豆がCOE入賞となります。評価基準はこちらの8項目です。

・カップのきれいさ
・甘み
・酸味
・口当たり
・フレーバー
・後味の印象
・バランス
・総合評価

COE入賞の点数は年々上がってきており、それほど高品質なコーヒー豆が多く集まっていると言えるでしょう。最終的にはランキング付けされ、COE入賞のコーヒー豆としてインターネットオークションで販売されます。

2020年にはエチオピアで初めてCOEが行われ、シダマ地区のコーヒー豆がとりわけ高得点を獲得していました。COEに入賞したコーヒーを飲んでみたいという方は、一度インターネットで取り扱い店舗を調べてみてはいかがでしょうか。

さいごに

COEはスペシャルティコーヒーの中でも、質の高いコーヒー豆が集う品評会。そこで評価を得られれば、生産者にとって継続的な農園の運営や生活環境の改善に繋がります。

しかし現代においても、全てのコーヒー豆が正当に取引されているとはいえません。生活に困窮した生産者が、コーヒー豆の生産を辞めてしまうこともあります。私たち消費者にできることは、透明性のある高品質なコーヒーを購入し、継続可能なコーヒー産業を支援することでしょう。

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