貴重な国産コーヒー!日本のコーヒー栽培事情とは?

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コーヒーの生産国といえば、どんな国を思い浮かべますか。ブラジルやコロンビア、エチオピアなど赤道に近い国で生産が盛んというイメージがあると思います。しかし、実は日本でも生産されているのをご存知でしょうか。

世界の生産量に比べると少量ながら、国産コーヒーは存在するのです。今回は、日本のコーヒー栽培についてご紹介しますね。

日本でのコーヒー栽培

日本のコーヒーはほとんどが輸入で、現在日本では、コーヒーのほとんどを輸入に頼っています。その中でも輸入量が多い国は、ブラジル・ベトナム・コロンビア。これら3か国で輸入全体の7割を占めています。

どうして輸入が多いのか、それは、コーヒーが元気に育つ環境にポイントがあるからです。コーヒーの生産が盛んな地域は、赤道を中心として北回帰線・南回帰線に挟まれた地域です。これは「コーヒーベルト」と呼ばれています。

コーヒーが元気に育つためには、土壌・気候・標高などが複雑に関係しますが、コーヒーベルトの地域はコーヒー栽培に適した場所が多いです。日本はコーヒーベルトから外れた地域で、かつ台風も多いことから、栽培環境にはあまり向いていないとされています。

日本のコーヒー消費事情

コーヒー栽培に適した環境を整えることが難しい日本。しかし、コーヒー消費量は世界でも上位に入るほどです。イタリアのエスプレッソ文化、フランスのカフェオレ文化、日本発祥の缶コーヒー文化など、さまざまな文化が融合した日本は、コーヒーを楽しむ習慣が根付いているのでしょう。

1人が1週間あたりで飲む杯数を調査すると、10.62杯(2018年)という結果が出ています。

(参考)全日本コーヒー協会 http://coffee.ajca.or.jp/

日本で栽培されているコーヒー

日本ではコーヒーを楽しむ文化が根付いていますが、コーヒー栽培に適した条件は実現しにくいというお話をしてきました。しかし、一部地域によってはコーヒー栽培が可能であり、珍しい「国産コーヒー」として販売されています。「日本のコーヒー豆ってどんな味だろう?」と、なんだかワクワクしませんか。以下、4つの地域で生産されるコーヒー豆についてご紹介します。

・小笠原コーヒー

東京都の小笠原諸島は、コーヒーベルトに限りなく近い場所。コーヒー豆生産を行う農園の1つに「野瀬農園」があります。こちらでは、手摘みされたコーヒーチェリーをハニープロセスという方法で加工。酸味・コクともにバランスがよく、ナッツを思わせる香りが特徴です。

・沖縄コーヒー

2017年、沖縄コーヒー協会が設立されました。台風被害も多い中、沖縄県産コーヒーの安定した供給を目指して取り組みがなされています。
沖縄コーヒー協会のコーヒー豆は、アラビカ種のニューワールド(ムンドノーボ)という品種が多く使用されています。バランスが良く、すっきりとした後味で飲みやすいのが特徴です。

・名護コーヒー

沖縄県の北部、名護市でもコーヒー豆が生産されています。
こちらもアラビカ種のニューワールド(ムンドノーボ)が多く栽培されており、クリアな味わいが特徴です。昼夜の寒暖差によって果実がゆっくりと熟されることから、豊かな風味や甘みを感じることができるでしょう。
丁寧に手摘みされた後は、ウォッシュドという加工法で生豆の状態に加工されています。

・沖永良部島コーヒー

沖永良部島は、鹿児島県の奄美群島に属する離島です。こだわりのコーヒー豆を生産するのは、コーヒー豆の専門店「ノアコーヒー」が運営する沖永良部島珈琲農園。フルーティーな酸味とまろやかなコクが特徴です。こだわりのブレンドコーヒーの他にも、農園で採れたコーヒー豆から作られた「えらぶ島珈琲ゼリー」も販売されています。

さいごに

日本はコーヒーベルトの北限を超えた地域ではありますが、農園の方々のたゆまぬ努力によって国産コーヒーが生産されています。コーヒーを愛する人が多い日本。世界を旅するように各国のコーヒーを味わうのも良いですが、新鮮な国産コーヒーで、日本の土地に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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